食べるアート、南房総の「太巻き寿司」

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/index.html)

 

ご存じでしょうか。
南房総の道の駅やスーパーで目にする「太巻き寿司」。

今でこそ、全国的に知られる家庭的なお寿司ですが
実はこの「太巻き寿司」は、南房総をはじめとする
房総エリアの郷土料理のひとつ。

古く❝ 江戸の台所 ❞と呼ばれた、
千葉県で生まれたもので、
農林水産省の「農山漁村の郷土料理百選」
にも選定されています。

ここ南房総では「太巻き寿司」は
「房総巻」や「房総太巻き寿司」、
「花寿司」などといった名前で親しまれ、
冠婚葬祭や年中行事で今なお広く愛されています。

その特徴は何といっても、目でも楽しい華やかさ。
温暖な土地柄を映したような
花や蝶などのモチーフをはじめ、
まるでロールケーキのような
甘い厚焼き玉子で巻かれたものなど
そのバリエーションは、
各家庭や地域によって実にさまざまです。

出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/index.html)

このルーツは定かではありませんが、
南房総が昔から良質な米や海苔の生産地であったことや
漁業で栄えた地域ならではの人々のつながりが強かったこと、
また大勢が集まった際にも、
取り分けしやすく食べやすかったことが
発達した理由だと考えられています。

意外ですが、「太巻き寿司」はかつては
地域で重要な職を担う男性が作り
人々にふるまったものだとか。

やがて、時代とともに作り手が女性に移り変わり、
より手の込んだものに進化したようです。

親戚が集まったり、お祝いの席に
必ず食卓を飾る南房総の「太巻き寿司」。

人の移動やお祝い事が
増えてくるこれからのシーズン。
南房総を訪れた際はぜひ、
ご当地それぞれに工夫を凝らした
「太巻き寿司」をおみやげにいかがでしょうか。

おうちで祝う、雛まつりのお供にもおすすめです。