
昨年に続く猛暑となりそうな今夏は、
涼しく過ごすための工夫が一層注目を浴びそうです。
お祭りや花火大会、盆踊りなど、
風流な夏の風物詩に欠かせない「うちわ」。
最近では“推し”を応援する
必須アイテムとしても人気のようです。
実は千葉県館山市・南房総市周辺は丸亀うちわ、
京うちわと並び“日本三大うちわ” に数えられる、
「房州うちわ」の生産地。
南房総でつくられる伝統工芸品として平成15年には
経済産業大臣指定伝統的工芸品の認定を受けています。


房州うちわのきっかけは
一説によれば1923(大正12)年におきた
関東大震災で大火に見舞われた日本橋のうちわ問屋が
材料となる篠竹の産地に近く、東京への船便があった
那古港に近接した船形町(現在の館山市船形)に移り住み、
始めたのが由来とも言われています。
大きな竹(男竹)を平たく削った
「男竹平柄 おとこだけひらえ」でつくられる
“丸亀うちわ”に対し、「房州うちわ」は
竹の丸みをそのまま活かした“丸柄”が特徴で、
48~64等分に割いた骨を糸で交互に編んだ
半円で格子模様の美しい“窓”が魅力です。
うちわに使用される細い篠竹、女竹(おんなだけ)は
柔軟性があり丈夫でしなやか。
全国でも最高と言われる安房地方の女竹を使用した
「房州うちわ」は,竹の皮むきから始まる
21の工程すべて1本1本が手づくりです。


絵柄は昔から日本の伝統的な浮世絵や
美人画などが描かれていましたが、
最近では民芸調の絵柄や、和紙や浴衣地を
貼ったものも増えています。
実用品以外に装飾品としても扱われ、現代では
幅の広い楕円形のものや、持ち手に竹の根の部分を取り入れた
珍しいデザインのうちわも登場。
その芸術的価値が海外からも人気です。
電気を使わず手元で涼をとれるうちわは、
SDGsの面からも地球にやさしい涼グッズ!
南房総エリアには実物を実際に手にとって
ご覧いただける店舗も数多く揃っています。
この夏の南房総の想い出にぜひ、世界にひとつの
お気に入りの1本を見つけてみてください。
画像参照:南房総 花海街道(https://hanaumikaidou.com/)
南房総 Myトラベル(https://mytravel.chiba-mboso.jp/)
房州うちわ(https://www.bosyu-uchiwa.com/)